Bipolar CUPテンプレート

Bipolar CUPテンプレート

Bipolar CUPテンプレート

前回はBHAのStemテンプレートを紹介しました。
今回はBHAにおけるBipolar CUPのテンプレートの仕方を説明していきます。

Bipolar CUPのテンプレートはあまりやらない?

Bipolar CUPのテンプレートは非常に簡単です。

BHAのテンプレートにおいてはStemのテンプレートは行いますが、Bipolar CUPのテンプレートは行わない場合が多いです。
最終的なBipolar CUPのサイズ決定は抜去した骨頭の計測結果と術中のトライアルの吸着の感触でなされます。

後半に説明します。

実際BipolarCUPの2Dテンプレート

実際には術前はテンプレートシートをあてて参考にする程度です。

Bipolar CUPテンプレートをしてみる

前回と同じレントゲンを使用します。
まずはレントゲン写真上での骨頭径を計測します。

骨頭径の計測(例)

計測結果に合うサイズのBipolar CUPを選択する。

言ってしまえばこれだけです。

BipolarCUPテンプレート。0.5mmの差はどうするか?

術前のBipolar CUPテンプレートはおおよその大きさくらいしか参考にしません。
上図の0.5mmのサイズ差の話は次のセッションで解説します。

Bipolar CUPのサイズ選択

術中に抜去された患者さんの骨頭はノギスを使用して直径を計測します。

骨頭径はノギスで計測する

今回の例は、術中の実際の骨頭計測結果も術前にレントゲンで計測したサイズと同じ49.5mmであったとします。

さてここで疑問が発生します。各メーカーのBipolar CUPのほとんどは1mm単位でのサイズバリエーションです。
そのため49.5mmの骨頭の場合、49mmインプラントと50mmインプラントのどちらを選択するのでしょうか?0.5mmの差の疑問が生じる訳です。

結論から言うと、小さいサイズを優先します。

Bipolar CUPはサイズで迷ったら小さい方のサイズを優先します。

理由は簡単で、Bipolar CUPの大きいサイズでのミスマッチは臼蓋を傷つけてしまうからです。小さいサイズのミスマッチも良くはないのですが、大きいサイズのミスマッチよりも臼蓋へのダメージは少ないです。

BipolarCUPがオーバーサイズだと臼蓋を傷つけてしまう

図は少しオーバーに示しています

ただしBipolar CUPサイズの決定の前に必ず術中トライアルを行います。計測の数字だけで判断されることは基本的にありません。

トライアルが分からない方は「THAの手術概要2」を確認下さい。

Bipolar CUPトライアルの際、臼蓋に当ててみるのですが、その時にキュッと臼蓋に吸い付きます。いくつかサイズを試し、その吸着具合で最も適切なサイズを判断します。
このあたりは執刀医の手の感覚です。先輩医師の指導を受けながら上達していきます。

また、骨頭計測の際におすすめなのはノギスではなく下図のようなシートです。

 

骨頭計測シート

サイズ別に穴が空いており、そこに実際に抜去した骨頭を頸部軸に沿って通してみます。
通ることのできる最小のサイズを選択すれば良い訳です。これならほとんどサイズのミスマッチは起こりません。

どうしても迷う場合は小さいサイズを選択すれば間違いは起こりません。

実際の骨頭の計測(例43mm)

抜去された患者さんの骨頭径の計測結果と、トライアルの吸着具合でBipolar CUPはのサイズは決定される訳です。

そのためBipolar CUPの術前テンプレートは行わない場合がほとんどです。行ったとしてもおおよその大きさを把握する程度のものですね。

 

THA-CUPはBipolar CUPのテンプレートと異なり、結構難しいです。

次回は臼蓋形成不全に関して少し解説してからTHA-CUPテンプレートについて説明します。

 

 

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