膝蓋骨のインプラントは見えない!?

  • 2019.10.08
  • TKA
膝蓋骨のインプラントは見えない!?

膝蓋骨のインプラントは見えない!?

膝蓋骨のインプラントはどのような素材でできていたか覚えていますか?
今回は膝蓋骨の置換によるレントゲンの見え方を説明します。

そもそも膝蓋骨は置換するの?

まず、膝関節は2つの関節でできています。
この記事を読んでいる方々にとっては改めて説明をするものではないかもしれませんが、念の為説明します。
いわゆる膝関節とは、

 ・脛骨大腿関節

 ・膝蓋大腿関節

この2つで構成されています。

膝関節の2つの関節

基本ですが、膝蓋骨と大腿骨の間も関節なんですね。
また、関節であるからには当然摺動面が存在します。
 ※摺動面とは、関節面と関節面が擦れながら滑り合う面の意味

そのため脛骨大腿関節のみでなく、膝蓋大腿関節も置換する余地があるのです。

ではどんな場面で置換して、どんな場面では置換しないのでしょうか?

分かりやすく言うと、膝蓋骨の変形等により、膝蓋大腿関節の痛みが疑われる場合は置換します。
また、その人の構造上、膝蓋骨を置換した方がより機能的な膝関節として機能すると判断される場合は置換をします。

逆に膝蓋大腿関節の痛みが疑われず、膝蓋大腿関節が膝関節を人工関節として再構築する上で、そのままで問題がないと判断される場合は置換は行いません。
この辺りは執刀医の判断になります。

ただ、アメリカのUniversity Hospital of North StaffordshireのPilling氏らによる研究によると以下のことも言われています。

Patients who underwent patellar resurfacing experienced anterior knee pain and satisfaction with the arthroplasty procedure that were equivalent to those experienced by patients whose patella was not resurfaced; however, these patients underwent significantly fewer additional surgical procedures. Further long-term follow-up of modern prostheses in randomized studies measuring outcome with a patella-specific score is needed.

Patellar resurfacing in primary total knee replacement: a meta-analysis.より引用

要約すると、
膝蓋骨を置換した患者としていない患者では、膝の前面痛や満足度においては有意な差はなかったが、膝蓋骨を置換した患者の方が追加の手術の回数は有意に少なかった、という内容です。
ここでいう再手術とは、再置換や膝蓋大腿関節の合併症による再手術を含めてのものですね。
膝蓋骨を置換すべきか否かは未だ明確な答えは出ておりません。

インプラントの構造によって決めている医師もおります。
もちろん、それぞれの膝関節に合わせたインプラントを選択した上でです。

膝蓋骨を置換してもレントゲンに写らない!?

さて、前置きが長くなってしましましたが、今回の記事の内容に移っていきます。
皆さんは膝蓋骨を置換したか、していないかはレントゲンを見て判断できますか?

特に理学療法士等のリハビリスタッフの方においてはなかなかこれを把握している方は少ないのかなとも感じます。
また、そもそも膝蓋骨を置換するという事を知らないリハビリスタッフの方もおりました。

膝蓋骨のインプラントの材質に金属はありませんので、レントゲンには写りません。
TKAのインプラントの確認は「TKAインプラントの名称」を参照してください。

膝蓋骨のインプラントは写らない

上の図の膝関節は膝蓋骨を置換しているか分かりますか?

実は膝蓋骨も置換してあります。
大腿骨・脛骨のインプラントには金属が含まれているのでレントゲンでハッキリと白く移ります。
それに対し、膝蓋骨のインプラントの素材はポリエチレンが主です。

そのためレントゲンには写りません。
では、膝蓋骨を置換している膝関節と、置換していない膝関節のレントゲンを比較してみましょう。

膝蓋骨インプラント有無の比較

よく見ると膝蓋骨が直線的に骨切りされているのが分かります。
レントゲン上はこの見た目で判断できる訳です。
ほとんどの場合、術後の膝蓋骨の形状をよく見ると判断できます。

もし理学療法士等のリハビリスタッフの方で、いまTKA術後の患者さんをご担当されているのであれば、ぜひレントゲンを確認してみてください。
膝蓋骨を置換しているかどうかがこの記事を読んだ後なら判断できると思います。

 

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