Medial Parapatellar Approachとは

  • 2019.08.17
  • TKA
Medial Parapatellar Approachとは

Medial Parapatellar アプローチ

前回、TKAの基本アプローチは内側からのもので3種類、外側からのもので1種類あると説明しました。

・Medial Parapatellar Approach
Midvastus Approach
Subvastus Approach

内側からの侵入はこの3つでしたね。
今回はこの中のMedial Parapatellar Approachを紹介していきます。

Medial Parapatellar Approachとは

Medial Parapatellar Approachは読み方はメディアル パラパテラ アプローチです。
手術肢位は仰臥位で行います。
膝の手術は基本的にすべて仰臥位で行うと考えて頂いて構いません。

切開部位は内側膝蓋支帯内側広筋(大腿直筋)です。

TKA-Medial Parapatellar Approach
近位部の切開部をやや内側にずらし大腿直筋腱から展開していくものもある

膝蓋骨をかわして膝蓋支帯を切離し、内側広筋と大腿直筋の間を頭尾方向へ展開していきます。
このとき、図の点線のように内側広筋の付着部を大きく切っているのが分かります。
また、術式によっては内側広筋ではなく大腿直筋腱の内側部を頭尾方向へ切っていく場合もあります。

TKAの最も一般的な術式です(内反変形の場合)。

Medial Parapatellar Approachのメリット・デメリットは?

Medial Parapatellar Approachのメリットはなんといっても広い手術スペースを確保できることです。
TKAの手術においては、大腿骨と脛骨の処理が必要ですので、頭尾方向に切開幅があるほうが手術スペースが効率的に広くなります。
当然スペースが広くなればその分手術が行いやすく、軟部組織の細かな処理も可能になります。
もちろん手術時間も短縮できます。

今後記事にしていきますが、TKAにおいてはGAPの調整が非常に大切になってきます。その調整を軟部組織処理で行う場合はある程度の手術スペースが必要です。
また、大腿骨の後果の骨棘を十分に除去するのにも同様に手術スペースが大きいほうが処理しやすくなります。
手術スペースは広い方が手術が行いやすいため、メリットになり得ます。

ただし同時にデメリットにもなってしまいます。

この場合のデメリットはこのサイトを継続して読んでくださっている方は簡単に予想できると思います。
そうです、侵襲範囲が大きくなってしまうことです。
特に内側広筋を切開するため、術後の膝関節伸展機能が低下します。

皆さんよくご存知の通り、TKAの術後に非常に大切になってくるのが膝関節伸展機構です。
主に内側広筋の機能が重要と言われていますが、このMedial Parapatellar Approachでは内側広筋を広範囲に渡り切開しています。
そのため術後の機能回復にも時間がかかってしまうという訳です。
炎症期間も長い傾向にあります。

TKAの術後のリハビリテーション

余談ですが、TKAの術後に大切なものはリハビリテーションです。
術後のリハビリは非常に大切になります。

術後の腫れを投薬とアイシングで抑えながら、理学療法士等によるROM訓練と、膝関節伸展機能の早期の回復が大切となってきます。
たまに患者さんで、

「手術の後は痛いからリハビリしたくない」

とおっしゃる方もいらっしゃいます。
ご担当のリハビリスタッフの方はぜひリハビリの重要性を説明し、同意を得てリハビリを進めてください。
医師の中には術後のリハはリハビリスタッフに完全に任せている医師もいます。
それはそれで良いのですが、患者さんに直接医師がリハビリの重要性を伝えるのも重要と考えています。

少し余談でした。
次回はMidvastus Approachを紹介します。

 

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