インプラントの種類(BHA・THA)
- 2018.01.25
- THA・BHA
インプラントの種類
人工骨頭置換術(BHA)の適応を理解したところで今回はBHAにおいて使用するインプラントについて書いていきます。
以前の記事でも簡単に紹介しましたが、今回改めて名称から説明します。
整形外科のインプラントって?
インプラント、と聞くと皆さんの中には「歯」のインプラントを思い浮かべる方もいらっしゃるかも知れません。
しかしそもそも「インプラント」とは、身体に埋め込む器具の総称の事です。
整形外科でいうインプラントとはTHAやTKAのレントゲンに写る金属のアレです。
または骨折の固定のときに使用されているプレート等のレントゲンに白く映る金属のアレです。
スクリュー1本だってインプラントです。
また、コンポーネントとも言われたりします。コンポーネントとは部品とかの意味ですね。
BHA・THAのインプラントは?
まずはBHAに使用されるインプラントを説明します。
・ステム(stem)
・インナーヘッド(inner head)
・バイポーラーカップ(bipolar cup)
です。
図で説明するとこのようになります。
バイポーラーカップ(bipolar cup)はアウターカップ(outer cup)とも言う。
ステム、インナーヘッド、バイポーラーカップは覚えておくと良いです。
ちなみに全人工股関節置換術(THA)ではバイポーラーカップではなくTHAカップが使用されます。
それもこの記事で書きたいと思います。
ではTHAではどのようなインプラントがあるのでしょうか?
・ステム(stem)
・インナーヘッド(inner head)
・ライナー(liner)
・THAカップ(THA cup)
です。
図で説明するとこのようになります。
THAカップ(THA cup)はシェルカップ(shell cup)とも言う。
インプラントにおいてBHA・THAで異なる点は、臼蓋骨に接しているのがバイポーラーカップか、THAカップであるかというところです。
BHAはインナーヘッドもバイポーラカップも固定はされていません。
一方THAはカップ側が臼蓋に固定されて不動となります。
この違いがインプラントの動き方の大きな違いを生みますが、詳細は「BHA・THAの股関節の動き方」で説明しています。
さて、ステムには種類が様々ありますが、THAでもBHAでも同じ場合があり、THA専用ステムだったりBHA専用ステムだったりは基本的にありません。ステムはどちらにも使用できます。
ただしTHAに適したステムやBHAに適したステムというものも当然存在します。
また骨の状態によって適したステムは変わります。
ステムの種類や細かい特性は今後書いていきますね。
BHAとTHAではカップの役割が違う?
上に記載しましたが、BHAはカップが動き、THAはカップが動きません。
BHAのカップ:バイポーラーカップ、THAのカップ:THAカップ
非常に基本的なことなのですが、この違いがリハビリや日常生活を行う上で非常に大切な概念になってきます。
また、各カップの役割としては以下のようになります。
・主に骨頭の役割を果たすBHAのバイポーラーカップ
・主に臼蓋の役割を果たすTHAのTHAカップ
骨頭の役割か、臼蓋の役割かとなっているのですね。
よく考えるとこれも当たり前なのですが、知らなかったという方も少なくないので補足しました。
前述しましたが、カップが固定されているか否かで可動域が大きく異なり、脱臼のリスクも全く違います。
次回はこのBHAとTHAのインプラントの動き方の違いを説明する前に、実際のインプラントがどんなものか紹介します。
記事一覧はこちら