Hip Prosthesis Zoneを知ろう
- 2018.03.19
- THA・BHA
Hip Prosthesis Zoneを知ろう
前回まででTHAカップの基礎知識を説明しました。これでステムとカップの基礎はご理解頂けたかと思います。
今回はHip Prosthesis Zoneを紹介したいと思います。
Hip Prosthesis Zoneとは?
まずは◯で囲った場所を言葉で説明してみて下さい。
THAやBHAの術後にレントゲンを見て、「ステムの遠位内側1/3の付近〜」と言われてもどこの部分かいまいち分かりにくいですよね?
そこで活用されるのがHip Prosthesis Zoneといった場所を表す言葉です。Hip Prosthesis Zoneというと難しく聞こえますが、要するにインプラント周囲のどの辺りを指すか表せる指標という訳です。
日本語ではヒップ プロスティーシス ゾーンと言いまが、以下に説明するGruen ZoneとCharnley Zoneのほうが言葉としては良く使われます。
ステム設置後の骨の周囲にはそれぞれ住所がついております。
その住所をゾーンで表すのがHip Prosthesis Zoneというものです。Hip Prosthesis Zoneはステム周囲の住所を示すGruen Zoneとカップ周囲の住所を表すCharnley Zoneがあります。
ステムの周囲を示す Gruen Zone
ステムの住所を表すのがGruen Zoneです。日本語でグルーエン ゾーンと言います。
Zone1〜Zone14まであり、それぞれ対応した住所があります。
数字がそれぞれの場所を表します。
1〜3がステムの外側、4が前額面でのステム遠位、5〜7がステム内側
8〜10がステム前方、11が矢状面でのステム遠位、12〜14がステム後方
となります。
この数字で場所を示します。
つまり冒頭のレントゲン写真の◯で囲った場所を的確に言い表すと、
「Zone2」となる訳ですね。
Gruen Zoneで場所を示せると非常に効率が良いので覚えておくと便利です。
また、カップ周囲の場所を示す数字もあります。カップ周囲を表す数字はCharnley Zoneです。
カップ周囲を示す Charnley Zone
Charnley Zoneはカップ周囲の住所を表します。日本語でチャンレイ ゾーンと言います。
カップの住所は前額面上のみです。ローマ数字のⅠ〜Ⅲで表します。
例えばZoneⅡと言えばカップの天頂部の周囲になります。
おそらくステムに使用されるGruen Zoneのほうがよく見かけると思います。学会でもカップの成績発表ステムのそれに比べて少ないですからね。
Hip Prosthesis Zoneを覚えておくと、THA・BHA後の会話で骨のどの部分かを伝えていことがある時に便利です。
というよりこの数字はステムの成績発表の際によく出てきますので、覚えておくと論文やポスター発表が読みやすくなりますのでぜひ覚えておいて下さい。
また次回はステム設置後の応力遮蔽(Stress-Shielding)による骨萎縮についての説明をしていきますので、今回説明したGruen ZoneとCharnley Zoneが説明の中で出てきます。
今後もZone◯といった形で使用しますので、把握しておいて頂けると記事も読みやすいかと思います。
次回は応力遮蔽(Stress-Shielding)による骨萎縮を説明します。
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