人工骨頭置換術とは
- 2018.01.22
- THA・BHA
人工骨頭置換術について
今回紹介するのは人工骨頭置換術(BHA)です。
実は理学療法士等リハビリスタッフが意外と見逃しがちなのがBHAなんです。
整形外科の新人医師であれば必ず執刀すると言っても過言ではないBHAですが、リハビリスタッフの理解度は意外にも低いです。
BHAなんて十分知っているよ、という方はこの記事は飛ばしてください。
人工骨頭置換術って知ってますか?
皆様はTHAという言葉は聞いたことがあると思います。
これは、
「Total Hip Arthroplasty」の略で、日本語では、
「全人工股関節置換術」ですね。
そして今回のBHA。
BHAの略は、
「Bipolar Hip Arthroplasty」です。
日本語では、
「人工骨頭置換術」となります。
THAとBHAの違いを物凄く簡単に説明すると、臼蓋側にインプラントを入れるか否かの違いです。
臼蓋側にインプラントであるカップを設置するのがTHAで、
大腿骨頭の置換のみで臼蓋側は自身の骨のままであるのがBHAです。
THAとBHAの明確な違いは臼蓋側にインプラントを設置するかしないかですが、実は適応も手術の難しさも全く異なるものになっています。
研修医や整形外科医1年目の医師の方はBHAのオペをどんどんやらされると思います。
BHAは新人整形外科医の入門オペなのですね。
さて、今回は人工骨頭置換術についてですのでBHAについて話していきたいと思います。
その名の通り、人工骨頭置換術は大腿骨頭をインプラントに入れ替えます。しかし大腿骨頭のみを骨に装着するのは難しいため大腿骨幹部近位にも骨頭の支えとなるインプラントを挿入します。
骨頭の代わりにあたるインプラントは半球状になっており、レントゲンでは一見THAのレントゲンと似て写ります。
それではレントゲン写真を見てみましょう。
左が人工骨頭置換術(BHA)で右が人工股関節置換術(THA)です。一見似ています。
このレントゲンではTHAにはスクリューが使用されているので分かりやすいですが、スクリューを使用しないTHA症例もたくさんあります。
ぼーっとレントゲン写真を見ていると気付かない事もあります。非常に基本的なことですが、まずはBHAとTHAレントゲンでの見分け方を確実に把握しましょう。
各インプラントの名称は?
それでは、各インプラントの名称を確認していきましょう。
上の記事で、大腿骨頭のみを入れ替えるのは難しいため大腿骨幹部近位にも骨頭の支えとなるインプラントを挿入する、と前述しました。
その骨頭の支えとなっているインプラントのことを「ステム」と言います。
また大腿骨頭の代わりとなるインプラントを「ヘッド」または「インナーヘッド」と言います。
「骨頭」とそのまま言う場合もあります。
臼蓋と接する部分(これも広義では骨頭の代わりになります)は「バイポーラーカップ」または「アウターヘッド」と言います。
それでは図で確認してみましょう。BHAのインプラントの名称です。
これらのインプラントの名称は覚えておくと良いと思います。
今回はBHAを知らなかったという方向けの記事ですので、BHAの基礎の基礎のみ記載しました。
〜【追記】〜
インプラントの名称の説明が分かりにくいとのご指摘を受けましたので、新たに記事にしています。
インプラントの名称(THA・BHA)で詳しく説明してありますので、こちらも併せてご確認ください。
次回はBHAの適応について詳しく説明していきます。
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